2013年1月23日水曜日

2013年1月12日小学校低学年クラス

冬学期[1−3月](7回ブロック)
数(四則計算紹介) 

このブロックでは主に四則計算の紹介をし、それぞれの計算方法の特徴を4つの気質に絡めて説明する予定です。主に掛け算(九九)を覚えることが今回の目標です。掛け算のコンセプトの把握、一桁であればどの数字が出ても即答できるようになれるといいですね。(それは理想ですが、2, 3, 4, 5, 10の段を練習する予定)この他、2桁、3桁の足し算、引き算(筆算)、割り算の考え方。(割り算のあとは4年で分数が出てきます。今回は概念のみにとどまります。)

 西洋ならこの4つの性質を小人などに表してお話を進めることが多いのですが、いろいろ考えた結果、4人兄弟の着物をまとった日本人として取り上げてみることにしました。今週はまず、長女のおたす(+)と長男のかける(x)というキャラクターが登場します。どうなることか。。。とちょっと不安ですが、子供たちに無理のない形で数に興味を持ってもらうことが目的なので、いろいろ試してみることもいいかなと思い切って挑戦してみます。お話は以下の通り、簡単に説明させていただきます。

あるところに、おたすという女の子がいました。おたすは6人家族です。ある日、お母さんがおたすにりんごを6つとっておいでといいました。おたすは背中にかごを背負ってりんごの木を探しに山に出かけていきました。こんな季節にりんごの木に実などなっているであろうか?と不安に思いながらそれでも探しに出かけると、最初に見つけたりんごの木にまだ2つりんごがなっていました。おたすはそのりんごをかごに入れました。そのうちにりんごが1つだけ残っている木を見つけ、それももぎとってかごに入れました。かごには、りんごが3つになりました。もう少し進んで行くと、3つもりんごがなっている木を見つけました。おたすはとったりんごをもう一度数えると、1, 2, 3, 4, 5, 6つりんごがありました。これでおたすは6つのリンゴを持って帰ることができると思いました。

6 = 2+1+3 という式を導き出しました。

おたすは次の日またお母さんに用事を頼まれ、お芋を6個買いに町に買い物に出掛けました。残念ながら、八百屋にはお芋は5つしか売っていませんでした。それを買ったおたすは、仕方ないので隣町まで出かけました。その町の八百屋にはたったひとつお芋が残っていたので、それも買いました。そしてかごを見てお芋を数えると、1, 2, 3, 4, 5, 6つのお芋があったので、おたすはうれしくて家に帰りました。

6 = 5+1
 
など、6 = あらゆる数の可能性を合わせることができるパターンを見つけました。これらは確かに単純ではありますが、計算とは答えばかりを導き出すのではなく、ひとつの数にどんな可能性があるかを見つける方法として限りない想像力を要し、数の不思議さや楽しさを知るきっかけにもなるかと思います。今回は+のみのパターンを探しました。数に親しむことが数学離れしないひとつの大事なポイントだと思います。

 ある日、お母さんはお兄ちゃんのかけるに、たくさんとれた栗をご近所の方達に持って行っておくれとお使いを頼みました。かけるはいつもの大好きな道を通り、神社の長い階段を駆け上り、その上に立っているうちまで走って行きます。途中、神社の階段をかけるは勢いをつけて1段飛ばしで2段ずつ上がって行きました。2, 4,  6 . . . . . . 24まで歩きながら2段飛ばしで、かけるが踏んだ階段を声に出して24まで数えました。それから、後ろ向きに下がってみました。24から下がるのは至難の業でした。下がりながら数を数えながら、2段跳ばしながら。。。後ろの人にぶつからないことはとても集中力のいる動作です。

動いた後に、メインレッスンブックに大きく円を描き、それを0から9までに分け、ひとつ飛ばしで2−4−6−8 . . . . . . のところに線を引く作業をしました。いったいどんな図形ができあがったでしょう。子供たちが一体何をしているかはまだ理解できなくても、おもしろがって掛け算をいろんな角度から体験することはそのうち自分の体に頭に染み入ってくるかとおもいます。

19日はそのコンセプトを話し、実際に6 = 2x3など、数字を書く作業がかなり入ってきます。クラス内でその書き方、色の塗り方を説明させてはいただきますが、2週間に1度のクラス内でできる手作業は限られています。自宅での作業が増えますが、どうかお手伝いいただき、宿題となった図形、計算式などは(美しく、丁寧に)自宅で仕上げてきて下さい。

漢字、俳句、あいうえおカルタなどを引き続き勉強します。

書く:日記を続けましょう。ひらがなをマスノートに書く。きれいに書く、書き順を覚える。

お話:聖人伝などを中心に話します。回想はしませんが、話した内容はコピーをお渡しするので、ご自宅でまた一緒にお読みください。読み聞かせると語彙が増えます。

手仕事:今作っているポットホルダー(鍋つかみ)がほとんどみんな完成しそうです。次回の作品はまだ未定ですが、棒針にチャレンジするかもしれません。何か子供たち自身が使えるものにする予定です。

体育:伝承の遊びを中心に(竹馬、馬跳び、縄跳びなど)

水彩画:子供たちのリクエストで水彩画をもう少しやりたいと思っています。

習字:習った字を丁寧にかつ大きく、ゆっくり書いてみる練習をもっとしたいと思います。

新しい歌:ゆき(保護者のコーラス部との3部合唱を目指します。)
     ふるさと(3番まで。お子様と一緒におぼえましょう。)
     ゆうやけこやけ
     未定(春の歌:何か推薦があれば候補にいれます。)

新しい詩:かっぱ(谷川俊太郎)
     あいうえお(2年生の教科書から抜粋)

【宿題】
1, 2の段の円の絵を仕上げる。(美しく、丁寧に色をぬりましょう。)       

かずという小さいノートを作りました。そこに発見した数をたくさん書いて持ってきて下さい。今週は10, 15, 24, 100, 1206という数が出ています。その数の足し算でのパターンを見つけて下さい。たくさん見つけて下さいね。

カルタ取り:カルタ遊びをして10言葉を見つける作業。共同作業です、ぜひ協力して一緒に遊びながらカルタ取りをして下さい。

絵日記:今までに習った漢字を書いてみよう。

*これらの内容が易しいと感じている子もいますが、決して急がず、丁寧にしかもいろんな角度からいろいろな作業を通して五感(12感覚とシュタイナーはいいます)を刺激し、発達を促すことを考えています。実際に計算は目を閉じていてもできるけれど、絵を描いてみる作業にはものすごく時間が掛かる子がいたり、計算は時間が掛かるけれど、絵はさらさらと描いてきれいに仕上げることができる子がいたりと、みんなそれぞれ持っている強さ(Strength)が違います。いろんな作業をすることでその子自身の能力の向上とバランスを取っています。従ってアカデミックな面からのみではなく、バランスをみて我が子にはどのようなサポートをすればいいのかを考えてあげて下さい。

九九を2年生で完璧におぼえることだけでなく、色の美しさに感動すること、言葉を発するのと一緒に体を動かすことに感動を覚えることや、自分の手で物を作り上げる達成感にひたること、どれもそれぞれにすばらしい体験であり、子供の心に一生残る経験かと思います。もちろん、九九が一人で言えたときもきっと自分を誇りに思うことでしょう。ひとつの方面からだけでなく、あらゆる角度から子供の成長を見てあげて下さい。ゆっくりですが、確実に子供たちは前に進んで一歩一歩、楽しんで何かを学んでいっているはずだと私は確信しています。もちろんいつでもみなさまのご意見や斬新なアイデアはお聞きしますので、遠慮なおっしゃってください。いつもサポートありがとうございます。

三好千佳子

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