2013年1月30日水曜日

2013年1月26日小学校低学年クラス

今週はお正月フェアの準備に追われ、てんやわんやの大騒ぎでした。朝から何だか気が散漫になり、落ち着かない様子が先生にも生徒にも見受けられ、これではいけないと気を引き締めるために、雪が降った外に出て、朝のメインレッスンのアクティビティーをしました。

うっすらと白くつもった雪をつかんでは泥まじりの雪合戦が始まり、散々雪を投げた後は、みんなで「おしくらまんじゅう」をしてみました。初めて体験した子供たちが多かったからなのかそのコンセプトに誤解があり、誰かを押し倒したり隣の子の腕にぶら下がったりと思わぬ展開が見受けられる中、やっているうちにようやく遊び方がわかったのか、押しすぎず引きすぎないところで楽しむことを覚えたようです(笑)。

そのあとは、『ゆき』の歌を輪になってお手玉を隣に渡すような動きで隣同士の人と手が合わさるような振りをつけて歌いました。体が動くと歌がままならなくなり、歌えてきたら手の動きが散漫になるなど、どちらも同時に動かすことは挑戦でした。これからどんどん練習してもっと難しい振りになります。(お母様たちには来週伝授しますので、家で一緒にやってみて下さいね。)

さて、今週も引き続き、掛け算と足し算復習をしました。その前に子供たちに漢字をせがまれ、今週は最初に漢字を練習しました。

漢字:「雨」「雪」「雲」「電」
雪やら、雨やら降ったので、子供たちは大変興味を持ってノートに書いていました。

宿題:「雨」(あめ、あま、う)「雪」(ゆき、せつ)「雲」(くも、うん)「電」(でん)
音読み、訓読み両方を紹介し、少しだけ言葉を集めてみましたが、マスノートにそれぞれの漢字のあらゆる読み方の言葉を書き出しましょう。(それぞれ5個以上。熟語にも挑戦して下さい。)前回作ったひらがなのチャートを見ながら、濁音やなどもいれてひらがなの書き方を学びましょう。漢字のノートもきれいに完成させてきて下さい。また、雨のつく文字を集めても楽しいですね、余裕があればそんな文字も漢字字典などで調べて書いてきて、みんなに教えて下さい。

3の段の掛け算
今週はメインレッスンノートに、10階建ての建物のすべての階に横に3つ並んだ窓を描きました。話はかけるが町に遊びに行ったという設定です。初めて見る高いアパートに目を丸くし、そこについている窓の多さに驚き、かけるはその窓の数をはじめました。しかし、あまりにも多いので途中まで行くと何処を数えているのかわからなくなってしまいました。そこで、必殺小道具の剣を出して、その剣の助けを借りて早速「かける」掛け算をしたという次第です。

3つ並んだ窓 X(剣)10階 = 30
3+3+ . . . . . . (10回)= 30

という計算もノートに書きました。かけるの剣は特別な剣で、助けてほしいときに抜き出してクロスにすると掛け算の答えが頭に浮かんでくるというものです。面白かったのか、みんなその剣の絵を描くのに凝っていました。

宿題:アパートの絵のページを完成させる。
   3の段の星の絵とチャート表を2段をまねて完成してみましょう。
   色は最後まで美しく、白い部分が残らないように丁寧に描きましょう。
   どちらのページも枠を作ってから初めて下さい。

フォルメン線描

ノートを4つに割り、お椀のような半円が小さいのからだんだん大きくなり、それが規則的に4つの面に向いているという少し込み入った形を描いてみました。バランスよく描くのには訓練が要ります。みんなそれぞれにがんばって丁寧に描いていました。

2の段の復習、九九の言い回しの練習

みんなが考えてきてくれた九九の2の段の動きを発表し、それをみんなでやってみました。ジャンプするものから猫が横に転がるような動きまで様々で、息を切らしながら2の段を何度も言ってみました。

宿題:九九の3の段でもぜひ動きをつくって、一緒に何度も言いながら遊びましょう。
   かずのノートに2と3の段を12段平仮名で書いてくる。(例:ににんがし)
            11と12の段は言いやすいように書いてみましょう。
            2の段と3の段を100まで書いてみましょう。(例:2, 4, 6 . . . 44, 46, 48 . . . 100)

カルタ遊び
カルタ取りをしました。みんなだんだん早くなってきて、かなり真剣です。お手つきをすると次は手を後ろに組みます。またお手つきをすると一歩下がります。などのルールを決めてするとさらに目が真剣になり、よくカードを見て取っていました。

宿題:カルタ取りで遊ぶ。
   *カルタは毎回持ってきて下さい。
   しりとりをしてマスノートいっぱいに言葉をつなげて書いてくる。
            絵日記。できれば字を書く部分には線を引かせて、その中に丁寧に書くようご指導下さい。
   また習った漢字、知っている漢字はどんどん書きましょう。
            *読み聞かせるお話を郵送します。

専科1:手仕事
SちゃんとEくんも鍋つかみがほぼ完成しました。次回の授業日にはお持ち帰りいただきます。新しいプロジェクトはポシェットを作ろうかと思います。どんな形になるかはお楽しみです。新しく来てくれたMくんは初めて指で鎖編みをしました。すぐに覚えてかわいいネックレスを完成させていました。高学年は帽子を編んでいます。それもほぼ完成です。お兄ちゃんたちの作品を横目でみながらいろいろ刺激をもらっているように思いました。

専科2
今週はお正月フェアの準備のため、授業は少し短めに終わりました。1時からのコミュニティーランチのために小学生は料理をしました。お味噌汁とお餅を作りました。お餅つきの練習もして、つきたてのお餅をいただきました。みんなよくお手伝いしてくれ、おいしいお味噌汁が出来上がりました。下準備をして下さった保護者の皆様、ありがとうございました。

次回の授業日は2月9日です。

三好千佳子

2013年1月28日月曜日

第1回お正月フェアを終えて

昨日は私たち自身びっくりするほどの参加者で、大盛況、大成功でしたね。もともと日本語学校の子供たちのためにと思いついたフェアが、いつも教室等を使わせてもらっているので、感謝をこめてブルックリンシュタイナー平日学校の生徒たちも招待しようということになり、フェアの少し前に一般の人にももう少し声を掛けようということで、情報のウェブサイトに載せてもらったりしましたよね。それが、あんなにたくさんの人が来る会にふくれあがったなんて、昨日、当日も驚きの表情を隠せない私でした。

教師は全部で4人、学校の生徒家族は20家族足らずの人数であれだけの人(400−500人??)を受け入れる会が何とか成功したことは、奇跡のように思えます。実際全体で何人くらい来たのでしょうかね。それも怪我ひとつなく。平日勤めているGreen Meadow Waldorf Schoolでも秋祭りがあり、600人以上の人が参加しますが、300以上の家族でそれをサポートしています。それと比べると、この学校の保護者は1人1人に10人分くらいのパワーがあるのでは?と思いました。また、このコミュニティーは大変まとまりがあって、責任感、行動力、創作力もあり、皆さん、よく働く!!!始めに楽しんで下さいと言っていましたが、お子さんと楽しむ時間はなかったのではないでしょうか。それだけがちょっと気がかりでした。

私はお茶会と人形劇を受け持ったのですが、毎回いっぱいでした。お茶の先生やスタッフの方々が最後に言っていたのでは、「今までいろんな学校に頼まれて,お茶会を紹介してきたが、ここの学校の雰囲気が一番よかった。お客さんは子供も含め、席中ずっと静かに、または真剣にお茶会に参加してくれた。通常は子供だとすぐ飽きてしまうのが、子供たちもべらべらしゃべったりせず、みんな集中してくれた。あの集中力はどうして?シュタイナー教育って何か特別なのでは?みんながお茶会という日本の文化に深く興味を示してくれたことがとてもうれしかったし、驚いた。通常の学校お茶会だとお茶を残す人が多いのだが、ほとんどの人が全部飲んでいた。」などの嬉しい感想を聞かせてくれました。

今日Green Meadowの学校でベテランの幼稚園の先生に昨日の盛況ぶりと子供たちの集中力が長いと言われたことを話すと、「シュタイナー学校の子供は確かにフェスティバルや文化、芸術活動に触れる機会が多いし、理解もするが、それだけではない。一般の人も来ていた訳だし、それは、あなたたちがコミュニティーへシェアしようとした内容がいいものだったこととそのもの自体の質が高かったからでしょう。あなたたちの真剣で高い志が伝わったからでしょう。」と言われうれしかったので、是非皆さんにシェアしたいと思い、ここに記しています。

もうひとつうれしかったことは、人形劇が終わった後、一人の女の子が微笑んでいるのですが、目から涙が出ていました。私はびっくりして「大丈夫?」と聞くと、「うん」と言うので、「おじいさん、おばあさん、お正月が迎えられてよかったね」と言うと、嬉しそうに「うんうん」と言っていました。笠地蔵のお話だったのですが、忙しいスケジュールの中、練習不足だったと反省しておましたが、何かが子供たちの心に伝わったようで、私自身もさせてもらって本当によかったと思いました。このような会を楽しめる皆さんのお子さん、本当に純粋な心を持っています!

それぞれの場所でそれぞれがんばってくださった皆さんの努力と高い精神があったからこそ成功したのだと信じます。一人ひとりにお礼が言えませんが、本当にありがとうございました。今週は疲れを癒してくださいね。

アマーあづさ

2013年1月23日水曜日

2013年1月12日小学校低学年クラス

冬学期[1−3月](7回ブロック)
数(四則計算紹介) 

このブロックでは主に四則計算の紹介をし、それぞれの計算方法の特徴を4つの気質に絡めて説明する予定です。主に掛け算(九九)を覚えることが今回の目標です。掛け算のコンセプトの把握、一桁であればどの数字が出ても即答できるようになれるといいですね。(それは理想ですが、2, 3, 4, 5, 10の段を練習する予定)この他、2桁、3桁の足し算、引き算(筆算)、割り算の考え方。(割り算のあとは4年で分数が出てきます。今回は概念のみにとどまります。)

 西洋ならこの4つの性質を小人などに表してお話を進めることが多いのですが、いろいろ考えた結果、4人兄弟の着物をまとった日本人として取り上げてみることにしました。今週はまず、長女のおたす(+)と長男のかける(x)というキャラクターが登場します。どうなることか。。。とちょっと不安ですが、子供たちに無理のない形で数に興味を持ってもらうことが目的なので、いろいろ試してみることもいいかなと思い切って挑戦してみます。お話は以下の通り、簡単に説明させていただきます。

あるところに、おたすという女の子がいました。おたすは6人家族です。ある日、お母さんがおたすにりんごを6つとっておいでといいました。おたすは背中にかごを背負ってりんごの木を探しに山に出かけていきました。こんな季節にりんごの木に実などなっているであろうか?と不安に思いながらそれでも探しに出かけると、最初に見つけたりんごの木にまだ2つりんごがなっていました。おたすはそのりんごをかごに入れました。そのうちにりんごが1つだけ残っている木を見つけ、それももぎとってかごに入れました。かごには、りんごが3つになりました。もう少し進んで行くと、3つもりんごがなっている木を見つけました。おたすはとったりんごをもう一度数えると、1, 2, 3, 4, 5, 6つりんごがありました。これでおたすは6つのリンゴを持って帰ることができると思いました。

6 = 2+1+3 という式を導き出しました。

おたすは次の日またお母さんに用事を頼まれ、お芋を6個買いに町に買い物に出掛けました。残念ながら、八百屋にはお芋は5つしか売っていませんでした。それを買ったおたすは、仕方ないので隣町まで出かけました。その町の八百屋にはたったひとつお芋が残っていたので、それも買いました。そしてかごを見てお芋を数えると、1, 2, 3, 4, 5, 6つのお芋があったので、おたすはうれしくて家に帰りました。

6 = 5+1
 
など、6 = あらゆる数の可能性を合わせることができるパターンを見つけました。これらは確かに単純ではありますが、計算とは答えばかりを導き出すのではなく、ひとつの数にどんな可能性があるかを見つける方法として限りない想像力を要し、数の不思議さや楽しさを知るきっかけにもなるかと思います。今回は+のみのパターンを探しました。数に親しむことが数学離れしないひとつの大事なポイントだと思います。

 ある日、お母さんはお兄ちゃんのかけるに、たくさんとれた栗をご近所の方達に持って行っておくれとお使いを頼みました。かけるはいつもの大好きな道を通り、神社の長い階段を駆け上り、その上に立っているうちまで走って行きます。途中、神社の階段をかけるは勢いをつけて1段飛ばしで2段ずつ上がって行きました。2, 4,  6 . . . . . . 24まで歩きながら2段飛ばしで、かけるが踏んだ階段を声に出して24まで数えました。それから、後ろ向きに下がってみました。24から下がるのは至難の業でした。下がりながら数を数えながら、2段跳ばしながら。。。後ろの人にぶつからないことはとても集中力のいる動作です。

動いた後に、メインレッスンブックに大きく円を描き、それを0から9までに分け、ひとつ飛ばしで2−4−6−8 . . . . . . のところに線を引く作業をしました。いったいどんな図形ができあがったでしょう。子供たちが一体何をしているかはまだ理解できなくても、おもしろがって掛け算をいろんな角度から体験することはそのうち自分の体に頭に染み入ってくるかとおもいます。

19日はそのコンセプトを話し、実際に6 = 2x3など、数字を書く作業がかなり入ってきます。クラス内でその書き方、色の塗り方を説明させてはいただきますが、2週間に1度のクラス内でできる手作業は限られています。自宅での作業が増えますが、どうかお手伝いいただき、宿題となった図形、計算式などは(美しく、丁寧に)自宅で仕上げてきて下さい。

漢字、俳句、あいうえおカルタなどを引き続き勉強します。

書く:日記を続けましょう。ひらがなをマスノートに書く。きれいに書く、書き順を覚える。

お話:聖人伝などを中心に話します。回想はしませんが、話した内容はコピーをお渡しするので、ご自宅でまた一緒にお読みください。読み聞かせると語彙が増えます。

手仕事:今作っているポットホルダー(鍋つかみ)がほとんどみんな完成しそうです。次回の作品はまだ未定ですが、棒針にチャレンジするかもしれません。何か子供たち自身が使えるものにする予定です。

体育:伝承の遊びを中心に(竹馬、馬跳び、縄跳びなど)

水彩画:子供たちのリクエストで水彩画をもう少しやりたいと思っています。

習字:習った字を丁寧にかつ大きく、ゆっくり書いてみる練習をもっとしたいと思います。

新しい歌:ゆき(保護者のコーラス部との3部合唱を目指します。)
     ふるさと(3番まで。お子様と一緒におぼえましょう。)
     ゆうやけこやけ
     未定(春の歌:何か推薦があれば候補にいれます。)

新しい詩:かっぱ(谷川俊太郎)
     あいうえお(2年生の教科書から抜粋)

【宿題】
1, 2の段の円の絵を仕上げる。(美しく、丁寧に色をぬりましょう。)       

かずという小さいノートを作りました。そこに発見した数をたくさん書いて持ってきて下さい。今週は10, 15, 24, 100, 1206という数が出ています。その数の足し算でのパターンを見つけて下さい。たくさん見つけて下さいね。

カルタ取り:カルタ遊びをして10言葉を見つける作業。共同作業です、ぜひ協力して一緒に遊びながらカルタ取りをして下さい。

絵日記:今までに習った漢字を書いてみよう。

*これらの内容が易しいと感じている子もいますが、決して急がず、丁寧にしかもいろんな角度からいろいろな作業を通して五感(12感覚とシュタイナーはいいます)を刺激し、発達を促すことを考えています。実際に計算は目を閉じていてもできるけれど、絵を描いてみる作業にはものすごく時間が掛かる子がいたり、計算は時間が掛かるけれど、絵はさらさらと描いてきれいに仕上げることができる子がいたりと、みんなそれぞれ持っている強さ(Strength)が違います。いろんな作業をすることでその子自身の能力の向上とバランスを取っています。従ってアカデミックな面からのみではなく、バランスをみて我が子にはどのようなサポートをすればいいのかを考えてあげて下さい。

九九を2年生で完璧におぼえることだけでなく、色の美しさに感動すること、言葉を発するのと一緒に体を動かすことに感動を覚えることや、自分の手で物を作り上げる達成感にひたること、どれもそれぞれにすばらしい体験であり、子供の心に一生残る経験かと思います。もちろん、九九が一人で言えたときもきっと自分を誇りに思うことでしょう。ひとつの方面からだけでなく、あらゆる角度から子供の成長を見てあげて下さい。ゆっくりですが、確実に子供たちは前に進んで一歩一歩、楽しんで何かを学んでいっているはずだと私は確信しています。もちろんいつでもみなさまのご意見や斬新なアイデアはお聞きしますので、遠慮なおっしゃってください。いつもサポートありがとうございます。

三好千佳子

2013年1月11日金曜日

お正月フェアのご案内

今月27日にお正月フェアを開催します。内容はおもちつき、太鼓演奏、人形劇(笠地蔵)、江戸からくり、お茶会、手作りクラフト(草木染めのバッグやお手玉、ウールのボール等)販売、サイレントオークション、ヘルシーなビュッフェランチ(お雑煮含む)。書き初めやすごろく、福笑いなど子供向けの遊びも用意しています。子供たちに日本のお正月気分を味わい、楽しい時間を過ごしてもらえたら何よりです。多くの方々のご来場をお待ちしています。

日時:2013年1月27日(日)12時〜16時
場所:The Brooklyn Waldorf School
           11 Jefferson Avenue (Claver Place)
           Brooklyn, NY 11238

入場無料( 人形劇、江戸からくり、お茶会、参加型アクティビティー等はチケット制になります)

2013年1月7日月曜日

ユーリズミー体験クラスを終えて

手作りスープやお餅づくりで手を休める暇もなく終業式後の準備をしてくださっているお母さん達、その忙しい真っ最中、ユーリズミーの体験をしていただきました。お子さん達が月に一度体験しているユーリズミー、一言で説明するのは難しいのですが音楽や音、詩、言葉の体験を体を使って表現する運動芸術、、と言えばいうほど不思議な感じがしてきますね。

多くのお母さんが参加して下さり大きな輪ができました、小さくなったり大きくなったり、それでもう光と陰、朝と夜、喜びと悲しみ、を表現できます。収縮時に小さくなる事だけを感じるのか、後ろに大きな世界を感じるか、その動きの性質は大きく変わってきます。また、まず自分だけの動きに注目して動く、そして両隣の人の動きを感じ取って動く、やがては輪全体を自分と感じて動くことができます。

次に母音を紹介させて頂きました、 私が受けたのは英語でのトレーニングで、それを日本語で導入する際の言葉探しは常日ごろの習慣でもあります。参加者各々の日本語との関わりから感じられたその表情、感想、質問はまさに生きた芸術活動でした。質問にはすぐお答えすることもあれば、私の少ない経験から即答をするのを控える事もあります。一番大事なのは参加された皆さんが何かを感じて、何かを疑問に思われたという事かと思います。その瞬間、この言語文化という大きな世界の門前に立ったという事ではないでしょうか。それは時によって違う大きな世界の門前に立つのかもしれません。

インターネットで情報収集や交流が即座に出来る時代ですが、こうやって人と人が出会って運ばれる意識の旅や交流はそれぞれの体を通してしっかりと血や肉になっていくように思い、また、このような感覚を培う事が今後とても大事になってくるのではないでしょうか。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

2013年1月3日木曜日

2012年12月15日小学校低学年クラス(終業式)

この日を迎えるにあたってたくさんの方のご協力と準備があったことを、この場を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

この日はいつもの授業を返上して朝から保護者の方たちも教師も、終業式の準備に追われてバタバタとしていました。メインレッスンはなんとか出来ましたが、後はいつもの授業ではなく、まったく違う時間割となり、子供たちはいつものやるべきことが抜けたことで、いつになったら外に行って遊べるのか、掃除はいつになったら出来るのか。。。などとやきもきしている様子でした。その様子から、どれだけいつものリズムが子供たちにとって大事なことかと思い知らされた一日でもありました。いつも何気なくやっていることでも、ひとつひとつのその行為は子供たちにとって安心とリズムと規則のようなものを生むのでしょう。いつしかそれは子供たちにとって心地のいいものになり、やがてそれが習慣となるのかもしれません。だからいい習慣というのはとても大切なのですね。この日の子供たちのフラストレーションを見ていて、改めてそれを実感しました。

子供たち一人ひとりがその持って生まれた天命を全うするために、それを見つけるために、人はあらゆる体験をするべきです。その体験にどれだけ全力でぶつかれるかは集中力に掛かっています。その集中力を最大限に発揮するには、頭の中に何か迷いや不安などない方がいいに決まっています。つまり、守られていて、安心出来る場所にいる、そういった環境づくりは親の役目だと思います。皆様はどうお考えになりますか? とはいっても、誰も神様ではないので、そう完璧には行かないのが現状ですよね。ただ、何事にも気持ちを込めてやっていることは子供には伝わりますから、言い過ぎても、しかりすぎてしまっても、感情をむき出しにしてしまっても、確かにそれはよくなかったけれど、「大丈夫、次こそは」と自分を慰めているような繰り返しの毎日です。

メインレッスン
 なぜかこの日は2人も遅刻で、なかなか授業が始められなかったのでした。そんな日もありますよね。と思いながら、内心少し焦っていました。今日する終業式の発表会のことで頭がいっぱいでした。ちゃんと子供たちは詩を覚えてきているのかしら?歌は私がいなくても歌えるかしら?とか。。。心配は尽きなかったのですが、全員揃ってざっとプログラムのリハーサルをしたら、何とみんな見事にちゃんと覚えてきてくれていて、そんな心配も一気に吹っ飛んでしまいました。そしてご覧のとおり、式での立派な発表ぶりに感動させられっぱなしでした。子供というのはすごいです。やるときはきちっとやるのです。大人のようにあがったりしないのですね。頭が下がります。そしてまた来年、一体どんな授業を展開し、どのような目標をもって取り組んでいくのかが、またまた楽しみになってきました。

母音(あ、い、う、え、お)の学習
今までひらがなのカルタを作ったりしながら練習してきました。まだ練習するべきひらがなは残っているのですが、一応「締め」ということで、母音を学習しました。シュタイナー教育では、アルファベットでも母音を最後に紹介します。英語では、母音は子音よりたくさんの役割があり、母音を理解することは容易ではないからだと思います。また、母音を教えるときには母音にそれぞれのキャラクターを当て込み、それにちなんだ働きと、お話と、そして音を絡ませて指導することが多いです。日本語では文字でこそ表現はしませんが、音的には常に母音で終わる言語なので、その辺りのことを絡めて母音の役割をお話して、その日のユーリズミーのクラスでも母音の動きをご指導いただき、子供たちと母音のそれぞれの動きを取り入れながらおのおののキャラクターの絵をメインレッスンブックに描きました。(まだ終えてない子には1月12日に学校でやり終えるように指導します。)

また宿題で、残りのひらがな全部をカルタにして完成させるように指示してあります。完成したら、いつでも何度でもそれを使って遊んであげて下さい。足りないところがあれば、いつでも色を塗ったり字をきちんと書き直したりなど、よりすばらしいカルタに仕上がるような工夫をするようご指導下さい。一度作ったらそれで終わりではなく、何度も使って遊ぶので、よろしくお願いします。それ以上手を加えることがないと思ったら、そのカードの上にクリアテープなどを貼るとより頑丈なカードとなり、長持ちするでしょう。

スナックタイム(Sちゃん、Tくんお誕生日会)
 子供たちはとてもうれしそうにそれぞれ持ってきたカードや手作りのプレゼントを渡して、ケーキやアイスクリームをみんなでいただき、2人の誕生日をお祝いしました。各先生からは気持ちのこもった詩と小さな手作りの品をそれぞれにプレゼントしました。

【宿題】
*お話読み聞かせ『金の鳥』『マリアの子』
*カルタ遊び(すべてのカードを完成させて持ってきて下さい。)
*ビーズワックス(母音の一人を作る。)
*プリント(配布された算数、その他のプリントを仕上げて持ってきて下さい。)
*絵日記(楽しかった日、思い出に残った日など何日でもいいので描/書いて下さい。)
*手仕事(編み物)を出来るだけやりましょう。

【冬学期カリキュラム】
エポック授業(メインレッスン)
[1−3月](7回ブロック)
算数:四則計算。4つの足す、引く、掛ける、割るのキャラクターをお話にしてそれぞれの特徴、性質をみていきます。とくに掛け算では九九を練習し、日本のゴロ合わせの覚え方も一緒にマスターしたいと思っています。
お話:聖人伝を通して完全な者に向けて努力する人間の力を感じます。
文字:マスのなかにきちんと書く練習をしていきます。
漢字:引き続き1−2年で習う漢字を中心に学習します。
ひらがな:常に復習をし、反復練習として宿題にてフォローしていきます。字を書く量が少しずつ増えていきます。
カタカナ:カタカナを学習し始めます。

専科
手仕事:今作っているものを完成させ、次の新しいプロジェクトへと移ります。
ゲーム(体育):縄跳び、馬跳び、竹馬などをやっていこうと思っています。

【1月12日予定】
書き初めをします。汚れてもいい服を来てくるか、エプロンなどを持たせて下さい。

1月から3月にかけては、毎月のように行事が入ってきて忙しい学期になるかと思います。出来るだけお休みのないように体調を整えて来て下さいね。それでは今年もどうぞよろしくお願いします。

三好千佳子