2015年4月11日土曜日

2015年4月11日幼児部すみれ組

この2、3日、とても暖かいですね。昨日も今日も20℃を越え、春を飛び越え、いきなり夏になる勢いのニューヨークの気候です。汚れた雪も融けて消え、我が家の辺りでは、白いスノードロップスに引き続き、紫色のクロッカスがあちこちで芽を出し、花を咲かせています。先週の土曜日のすみれ組さんの外遊びでも、子ども達は走り回っていたので、暑くてジャケットを脱ぎました。

すみれ組のクラスがある時は、雨が降っていなくてもお昼から午後にかけて雨の予報の時には、必ずレインコート(またはレインジャケット)、レインパンツ、レインブーツ、レインハットをお持ち下さい。傘は危険ですので、必要ありません。土砂降りの場合は外へは行きまませんが、小雨程度なら外遊びをしますので、お忘れにならないようにお願い致します。なお、もし登園時に雨が降っていて、傘を持って来られても、傘は保護者の方がお持ち帰り頂けると助かります。特に年齢の低いお子さんは荷物が多いと、一人では全部の荷物を持つことが出来ません。教師も二人しかおりませんので、荷物を運ぶお手伝いが出来ませんので、ご協力をお願い致します。

さて、先週11日(土)のすみれ組ですが、いつものようにリンゴを洗って切って用意した後、秋に庭から収穫し、洗って干して、オーブンで殺菌した赤紫蘇を、すり鉢の中でゴリゴリと細かくパウダー状にして、海塩を混ぜて、ゆかりを作りました。おやつの時間のご飯にかけて頂きましたが、みんなで作ったゆかりはとてもおいしかったです。他にも、おかか醤油・塩昆布・梅紫蘇・海苔で頂きました。みんなお腹がすいていて、平均3回おかわりをして、10合のご飯はすぐに売り切れてしまいました。

この日はクラフトはお休みし、蜜蝋のクレヨンでお絵描きをしました。まず最初にクレヨンを選んでもらいます。赤・青・黄色の基本の3色しかないのですが、たくさん入ったクレヨンの中から、上手に緑・オレンジ・茶色・紫などのクレヨンを見つけて、自分用の小さいバスケットに取ったお子さんもいました。その日の内に、描いた絵は持って帰って頂きましたが、クラスのお子さん達の7~8割がなんと【虹】の絵を描いていました!虹をメインに持って来たお子さんもいれば、背景の中にちょこっと虹を入れたお子さんもいます。このことについては、保護者会でもお話しましたが、全世界共通で幼児は虹の絵を描くのです。どんな都会に住んでいる子どもも、どんな太平洋の孤島に住んでいる子どもも、どんな地域の、どんな文化に育った子どももみんな共通して虹を描くのだそうです

シュタイナーの幼児教育では、この現象をどうとらえるかと言いますと、幼児はあの世とこの世をまだ行ったり来たりしており、この世に肉体を得て生まれおちたとは言え、まだ、完全に虹の橋を渡り切っていない、グラウンディングしていないことを示しています。他にも、雲や家から出る煙などのらせん状の絵も、まだ天と繋がっていることを示しています。これが6歳も後半になって、たくさん歯が抜け落ち、7歳に近付くと、だんだん虹の絵を描かなくなって来るそうです。

これはシュタイナー教育で大切にする「幼児期の間は夢の中で育てよう」という考え方に繋がります。テレビ・ビデオ・絵本・映画・コンピューター・ゲーム・携帯電話・端末等のメディアを子どもに見せないで育てるということは、子どもの想像力を高め、自分で考える力を強めます。メディアを見せるということは、せっかくの子どもの想像力や思考力を、大人の作った映像・画像で制限し、台無しにしてしまうということです。お子さん達の想像力や思考力を育てるため、また、落ち着きのある、精神的に安定した子どもに育てるためには、メディアを極力避けることをお勧めします。

この日は、Mちゃんのお母さまのYさんとKBくんのお母さまのKさんがお手伝いして下さいました。保護者会の直前には、Rくんのお母さまのMさんとKくんのお母さまのNさんが食器を洗って下さいました。皆さま、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

保護者会では、まず最初に毎回、すみれ組で朝のサークルで必ず行うお遊戯を披露し、保護者会の最後には、終わりのサークルで歌うさようならの曲を歌いました。

<朝のサークル>
1.朝が来て、夜が行く、太陽が昇り、始まる
2.おはようお日さま、窓から覗いて、小鳥達を見てる
  小鳥達は起きて、新しい朝に、おはようと歌う
3.おはよう太陽さん、おはよう大地、おはよう石ころさん、おはようお花達、
  おはよう小鳥さん、おはよう子猫ちゃん、おはようお友達、そしておはよう私

<終わりのサークル>
4.今日の日を、ありがとう、遊びに学びに、感謝して
  「先生、さようなら」
  「皆さん、さようなら」

1・2・4番の曲は、こちらのシュタイナー教育の幼稚園で英語で歌われている曲を担任が翻訳して歌っています。3番の曲は、日本のシュタイナー教育の幼稚園で歌われています。1番の曲以外は、レ・ミ・ソ・ラ・シ(D・E・G・A・B)のペンタトニック(5音)の音階の曲ばかりです。なぜシュタイナー教育の幼稚園ではペンタトニックの音階の、ちょっと物悲しいような、郷愁を誘うような、終わらないような曲が多いのでしょうか。シュタイナー哲学の一つに「ムード・オブ・フィフス(5音階の雰囲気)」という考え方があります。宇宙の音階(レ&シ=D&B)は摩訶不思議な雰囲気、陣痛の音階(レ&ミ=D&E)はちょっと息苦しい雰囲気で、あの世とこの世を行ったり来たりしている幼児はラ(A)を中心に、このペンタトニックの優しい音色の音階に住んでいます。ハ長調の曲は明るい雰囲気ですが、必ず曲の終わりは「完結する」イメージがあります。これは小学生に上がって(歯が抜け落ちて)からの音階で、幼児はまだグラウンディングしきっていない、宙ぶらりんの場所にいますから、幼児の精神的安定を考える上では、ハ長調の曲は幼児向けではありません。ペンタトニックの曲は終わらない雰囲気の曲が多いですが、それはまだずっと続いていることを示しており、幼児には「安心」を与える意味があります。

とは言っても、ここは日本語の幼稚園ですので、昔から日本で歌われている曲もたくさん歌います。すみれ組さんでは、なるべく、日本のわらべ歌や、おじいちゃま・おばあちゃまもよく知っている昔からある日本の歌を中心に選曲していますが、時々、シュタイナー教育の幼稚園で歌われている曲も取り入れています。

11日(土)の季節の歌は以下の通りです。
「ちょうちょ、ちょうちょ、菜の葉にとまれ、
 菜の葉にあいたら、さくらにとまれ、
 さくらの花の、花から花へ、
 とまれよ、遊べ、遊べよ、とまれ」
「咲いた、咲いた、チューリップの花が
 並んだ、並んだ、赤、白、黄色
 どの花見ても、きれいだな」
「ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ
 お池の周りに、野ばらが咲いたよ
 ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ
 ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ
 朝つゆキラキラ、野ばらが揺れるよ
 ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ」
「春が来た、春が来た、どこに来た
 山に来た、里に来た、野にも来た
 花が咲く、花が咲く、どこに咲く
 山に咲く、里に咲く、野にも咲く
 鳥が鳴く、鳥が鳴く、どこで鳴く
 山で鳴く、里で鳴く、野でも泣く」

保護者会で、お子さんが「どうしてこの幼稚園ではおやつを一緒に作るのか?」という質問をしていたということをお聞きしました。保護者会ではしっかりお返事しなかったように思いますので、この場をお借りしてお話します。シュタイナー教育では、最終的に私たちの手元にやって来る品物には必ず原材料があり、選ばれた材料が組み合わされて、人の手によって作られるという過程(プロセス)を大切にしています。家庭で食べる物には、材料を買って来て作るというプロセスがあります。プロセスの中には、お母さん(またはお父さん)がご飯を作る時に、お子さんや配偶者の好物や家族のことを思って作ったり、お子さんの嫌いな物でもどうにか食べてもらおうと工夫をしたりします。レシピはもちろんですが、愛情たっぷりのご飯はこういったお母さん(お父さん)の気持ちがこもって出来上がります。シュタイナー教育では、そういった家庭で作るご飯のプロセスを教育現場で再現しています。また、それを幼稚園で再現することで、幼児は家庭でも同じことをしているという安心感を得ます。子ども達はお母さん(お父さん)が作ったご飯が大好きです。という訳で、ご家庭でも、ご飯を作る時にはお子さん達に手伝わせて下さい。

また、保護者会では、3月末で私たちは本校から完全に独立し、NPO団体「ブルックリン虹の架けはし日本語学校」が発足した旨をお伝え致しました。現在、ボードメンバーは小学部教諭、事務職職員、コロンビア大学で心理学を教えていらっしゃる教諭の3名です。学校名は内部で募集していたのですが、どなたからもご返答を頂かなかったため、教師スタッフの間で考えました。ブルックリンと言うと、即、ブルックリン橋を思い出します。アメリカにある日本語学校で学ぶということは、未来の子ども達がアメリカと日本の国を繋ぐ存在であるということです。そこに、シュタイナー教育的な要素「虹」を加え、「ブルックリン虹の架けはし」という名前が出て来ました。まだ、「虹の架けはし」部分の漢字と平仮名がはっきりと決まっていませんので、字は変わる可能性があります。本校から独立したことによって、「シュタイナー学校」とは名乗れなくなりました。「シュタイナー学校」を名乗るにはAWSNA(Association of Waldorf School of North America)からの認定が必要になりますので、しばらくは「シュタイナー教育にインスピレーションを受けた」学校ということになります。

この日は、Mちゃん(5)、Yくん(5)、Lちゃん(5)、Aちゃん(4)のお誕生日会をしました。お誕生日の子ども達は特別に王冠とマントをつけて、天の国から天使さまと一緒に虹の橋を渡って、お父さんとお母さんの所へやって来るお話を聞きます。お誕生日の歌をみんなで歌って、先生から手作りのプレゼントと、クラスのお子さん達みんなからの自然界からのギフトを受け取ります。先生からの手作りプレゼントは、年齢によって違います。6歳には手編みの縄跳び、5歳の男の子にはウールのフェルトで縫って作った剣、5歳の女の子にはお子さんのシンボルを刺繍した星型のワンド、4歳にはウールのフリースからウェットフェルティングして作ったボールとフェルトを繋いだネックレスを差し上げています。

お誕生日会の時の歌は以下の通りです。
「おとぎばなしのおばあさん、私の手を取って
 銀のお舟に乗せて、おとぎの国へ連れてって」
「遠い星の国から、虹の橋を渡り、私たちの所へ、生まれて来たのよ
 ようこそ、ようこそ、〇〇〇ちゃん」
「生まれて今日まで、みんなから、愛されて来た、友だちの、誕生日です、おめでとう」

次回のすみれ組さんのクラスは今週の土曜日、4月18日になります。
おやつは、いなり寿司を食べようと思っています。どんないなり寿司が出来るかお楽しみに!
お米を1合と、リンゴを1つお持ち下さい。
イースターは過ぎてしまいましたが、鉢植えに土を入れて、種を蒔いてみましょう。

4月18日より、個人面談が始まります。来年度のご継続の有無と小学1年生対象の方は小学部への進学のご希望をお聞きしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。急なご都合で来れなくなった場合は一言ご連絡頂けると嬉しいです。時間が15分ずつしか取れませんが、どうぞよろしくお願い致します。

これから黄色い水仙やレンギョウがムクムクと花をつけ、次第に白やピンクのコブシや木蓮の季節がやって来ます。ニューヨークの桜も待ち遠しいですね。それでは皆さま、また、今週の土曜日にお会いしましょう。

すみれ組担任

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PS: おまけ情報です。

4月25日(土)、26日(日)と、ブルックリン・ボタニック・ガーデンにて桜祭りがあります。
26日(日)は、我が師匠のグループ「太鼓マサラ」の演奏があり、4時から前座で「ニューヨーク諏訪太鼓キッズオールスターズ」で担任の次女も出演します!
お時間のある方は、桜を観賞がてらにいらして下さい。

また、5月3日(日)は、ウェストチェスターのホワイトプレインズ市にて桜祭りがあります
こちらの桜祭りは、担任とその次女が所属する「さくら太鼓」メインのステージが12時と4時にあります。お時間のある方は、郊外にドライブがてら是非いらして下さい。