2014年11月24日月曜日

2014年11月22日小学部高学年

土曜日は素晴らしい給食体験をさせていただき、心より感謝申し上げます。一人一人が自分が与えられたタスクに向き合い、黙々と協力しながらすすんで作業する姿にとても感動しました。子ども達に簡単な感想を聞いたら、「りんごを切るのが楽しかった」「(お味噌汁用の)味噌をとくのが面白かった」など感想が聞けました。そして、ソラリアムで小学部全員でいただいた「地産地消」の給食。全員がおしゃべりも忘れて食べていた姿が印象的でした。

今学期の高学年のテーマは「地産地消」です。これに合わせて、保護者のTさんが献立を考えてくださり、皆様がファーマーズマーケットでとれたての新鮮なオーガニックの旬な野菜を調達してくださいました。そして、給食の下準備をしてくださり、こんなに素晴らしい体験を実現させてくださいました。本当にありがとうございます。

調理実習の際、色々な気配りに気がつきました。りんごはデザートとしていただくので、N君が切ったりんごをお皿にランダムに置くのではなく、美しく並べていて、それを見ていた別の子ども達がまねをしてきれいに並べてくれました。日本の食文化では「(食事を)見ていただく」という要素が入っています。外国に住んでいながらも、それをそつなくこなせる子ども達に素直に「すごいなぁ」と思いました。

今回の給食体験について、ぜひお家でも感想を聞いてください。宿題では、今回の体験について短い文章を書いてくるというのが出ています。これは次回クラスで発表してもらいたいと思っています。それから、保護者の皆様にはアンケートを作成いたしましたので、ぜひご回答いただけましたら幸いです。アンケートにはこちらからアクセスできます。

今回の授業の様子です。

朝はコマ回しをし、その後クラス写真、小学部の写真を保護者のTさんに撮っていただきました。面白い写真も撮っていただいたので、どんな写真になるか、仕上がりが楽しみです。

その後クラスに戻ってメインレッスンをしました。たくさんのイベントがあったので、少し駆け足になってしまいました。今回は「ともだち」ということについて、『ともだちになるために』と谷川俊太郎の『ともだち』という本を使って考えました。これは、一回の授業だけではなく今後も継続して行っていきます。今回の宿題では歌の練習と音読も入っていますので、ぜひご家庭で実践していただけたら嬉しいです。

その後、「給食の歴史」ということで、簡単なワークシートを使って日本の給食の歴史を学習しました。本当はこの後、年代別の給食を順番に並べて、それぞれの時代の給食について考えるということをしたかったのですが、時間切れとなってしまいました。このアクティビティーは次回予定しています。

給食の歴史を学習した後、今回の給食体験の準備をしました。メニューを発表すると大興奮の子ども達。とても待ち遠しかったようです。日本料理には様々な野菜の切り方があります。切った後の野菜の形から、自分たちが知っているものの名前と関連づけて、8つの切り方の名前を学習しました。例えば、「半月切り」はお月様の半月、「短冊切り」は七夕の短冊と関連づけたりしました。そして、今回の給食ではじゃがいもを「さいの目切り」に切るということで、「サイコロ」と関連づけたりしました。

お料理の後は、ソラリアムに移動して、給食の配膳をしました。この時に、ごはんは左、お味噌汁は右に置く事を学びました。日本食の工夫は、様々なところであり、お皿の配置にも考えられた工夫があるんですね。

これまでも、一緒にお料理をするというチャンスがあったかと思いますが、今回の給食体験の延長から「野菜の切り方」「お料理独特の言葉(たとえば、炒める、煮る、蒸す、焼く、揚げる、和えるなどなど)」「助数詞(物の数え方。例えば、人参1本、魚3匹、ごま10粒、のり7枚など)」などを織り交ぜながら、ご家庭での日本語教育に役立てていただけたら嬉しいです。

さて、次回クラスは12月13日です。1月は終業式の準備ということで、新しいことの学習というよりもこれまで学習してきた事のまとめや調べ学習をしながら、発表へ向けて取り組んでいきます。お正月フェアも控えており、皆様にはまた多大なご協力をいただくことになるかと思いますが、コミュニティー全体で力を合わせて、子ども達のために素晴らしい会にできたらと願っております。

それから、次回クラスではT君の誕生日をお祝いを予定しております。お母様にはスナック時間に何かクラスでいただける物を準備していただきます。そして、クラスのみなさんは何か手作りの物(お誕生日カードなど)をT君の為に作ってきてください。

高学年担任

2014年11月22日土曜日

親子のためのシュタイナー教室開講のお知らせ

シュタイナー幼稚園の暖かな空間で行われる、親子で一緒に参加するクラスです。

こころとからだ、そしていのちを、人生の中で一番大きく育む7歳までの大事な時間。
ゆっくり、焦らずに。 安心して、健やかに。
比べずに、そのいのちそのものらしく。
お母さんも子どもたちも喜びに満ちて、ともに育ちあいましょう。
親子で、ちいさな手仕事や、わらべうた、おやつづくり、そして季節のお祝いを楽しみます。

楽しくあたたかく、のびのびとした雰囲気の中で、自然と日本語や日本の文化にふれましょう。

子育てでわからないこと、がんばっていることをみんなで分かちあって、シュタイナー教育を手がかりに一緒に考えてみませんか。

日程:2015年2月から4月の土曜日 全5回 (2/14・21, 3/7, 4/11・18)
時間:午前10時半〜12時
場所:The Brooklyn Waldorf School
   11 Jefferson Avenue (at Claver Place)
   Brooklyn, NY 11238

対象年齢:0〜3歳
定員:8組(先着順)
参加費:175ドル
材料費:25ドル

*2〜4月のクラスは定員に達しました。5月からまた全5回のクラスを予定しており、ウェイティングのみ受け付けております。

 

お問い合わせ:japaneseschool@brooklynwaldorf.org

2014年11月17日月曜日

2014年11月1日小学部高学年

ここ2、3日風がぐっと寒くなり、落ち葉も積もるようになってきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、みなさんご注意くださいね。

1.  前回授業

早いもので、今週は3週間ぶりのクラスです。前回のクラスでは、ファーマーズマーケットのメインレッスンブックの完成をさせました。それから、『さらわれた花よめ』の読み聞かせと内容理解、登場人物のまとめをプリントを使ってしました。お話の流れは宿題となっていますので、今週回収したいと思います。

世界中の物語の構成(プロット)を36個のシチュエーションにわけたGeorges Polti というロシア人研究家がいます。面白い事に彼の理論によると、どのお話もこの36個のパターンのいずれかに属すということです。たくさんの物語には、メインの登場人物が問題にぶつかり、その問題を解決し(解決方法が自分自身や他者などの場合があります)、そしてその結果どうなったかという大まかな流れがあります。今回はこのワークシートを作成しましたので、『さらわれた花よめ』をこのレンズから分析してみてください。これをもとに、要約文が作れるようになると思います。

それから、先週はSちゃんのお誕生日で、スナック時間にみんなで山盛りのアイスクリームを美味しくいただきました。ありがとうございました。私の子ども時代は学校でアイスクリームというのは「ありえない」というくらいの禁断の食べ物?!だったように記憶しています。ですから、教室で食べられるアイスクリームってなんだかとってもワクワクしました。

2.  宿題

そろばんプリントは解答がのっているので、自習という形で自宅で丸付けをしてください。宿題は読み、書きともにたくさん出しています。何度かお伝えしていますが、この中から選んでくださってかまいません。その場合、読みと書きが両方入る事が望ましいです。たくさんの宿題をこなしてくれているM君が、前回のクラスで板書が早くなっている事に気がつきました。「継続は力なり」。継承語教育とはまさにこの慣用句が的確に表してくれていると思います。


3.  歌

今回の授業では「ともだちとは何だろう?」ということを考えてもらいます。月にたった2回しか会わなくても、私たちは「仲間だ」というメッセージが伝わったら嬉しいです。高学年の歌として、『ともだちになるために』という曲を選びました。この曲をご存知の方も多いかと思いますが、この歌は私がこの10年間携わっている夏のキャンプでも歌っています。このキャンプには世界中から継承語の子ども達が集まるのですが、歌詞にあるように「友達になるために人は出会い」、喧嘩をしても「どこの どんな人とも わかりあえる」という強いメッセージを持っています。「友達」とはなんなのか、どんな人なのかということを覚えやすいメロディーと共に考える事ができるとても素敵な曲です。この曲を高学年のテーマ曲としていきたいと思いますので、ぜひご自宅でも一緒に歌ってください。

【今週のクラス】

給食
今週はTさんが中心となって、給食をいただきます。配膳体験に加え、高学年は学習テーマの「地産地消」にからめて一緒に食事を作らせていただく事となりました。このプロジェクトに関しまして、保護者の皆様の多大なご協力なしには成立できず、ただただ感謝を申し上げるばかりです。当日はケガや事故がないよう、十分気をつけて楽しい給食体験となればと願っております。それから、この日は学校のオープンハウスともなっており、給食学習中に見学者が予想されますので、あらかじめご了承ください。

持ち物:エプロン、三角巾、自分のお箸、水筒
注意:爪をきれいにきってくる事。

*スナックはいつも通り必要ですがお弁当は入りません。
*万が一給食を食べないことをご心配される方はスナックを多めに入れてください。

基本的に食べても食べなくても給食の時間はみんな同じ物を食べる体験をする事を大事にしたいと思います。ただし、強制して食べさせるような事はしません。

クラス写真撮影
9時15分から体育の時間に、地下のウッドワークの前の壁のところでクラス写真を撮ります。出来るだけ遅刻、お休みの内容にご協力お願いします。

<一日の流れ>
  9:00-9:15  朝の会
  9:20-9:30  写真撮影(高学年、低学年)
  9:30-9:45  体育(高学年)
  9:45-10:45   メインレッスン 
10:45-11:00   スナック
11:00-12:00   調理・テーブルセッティング
12:00-12:30   昼食
12:30-13:00   休み時間
13:00-13:40   専科(手仕事/ユーリズミー)
13:45-14:00   そろばん
14:00-14:20   終わりの会

それでは、当日どうぞよろしくお願いいたします。

高学年担任

2014年11月6日木曜日

2014年11月1日小学部低学年


今日はハロウイーンの翌日だったのですが、保護者の方も生徒も、教師もみんな頑張りましたね。寝不足で、チョコレート食べ過ぎてなんだか体が気だるくて、、という子供たちが大勢いました。如何に睡眠、食べ物が精神に影響するのかを思い知らされた一日でした。

ランタン作り

 先週子供たちと水彩画をした画用紙を、今日はランタンに仕上げました。2人組で協力して紐をよって、それを半分に折ると取っ手が出来上がります。そんな簡単なことですが、2人で一緒に紐をよることは、息が合っていないともう出来上がりそうだというところでどちらかが手を離してしまい、一からやり直しになったりと、何度もやり直しているチームもありました。やっと出来上がると、どうしても少しだけロウソクに火をつけてみたくて仕方のない子供たちがいて、そのランタンに火をつけてあげると、さっそく机の下に潜り込んでランタンがどんな風に明るく灯されるのかを見ていました。好奇心が旺盛で、早速試してみたいという気持ちでいっぱいのようでした。なかなか潜った机から出てこないで、ランタンから明かりが透けて見えるのをじっと眺めている子供たちがいました。是非、ご自宅で季節の移り変わり、冬の到来をお祝いし、その時に子供たちの作ったランタンの火を灯してみて下さい。


冬を迎えるにあたってと段々と自然界は内に向かいます。木も葉っぱを落とし、身を軽くし、根に力を蓄え、翌年の春にその力がまた外に向かう為の準備期間に入ります。ある動物は冬眠をし、ある動物は動きを抑えて静かに冬を過ごします。人も心を徐々に内に向け、自分と向き合う季節となります。アメリカではサンクスギビング、クリスマス、日本では年末にかけて師走が到来し、バタバタと日々忙しくなりますが、静かにランタンに火を灯して一日を終えるような落ち着いたひとときを心がけて、一日一日を大切にお過ごしください。

メインレッスン


『小人のくつや』回想
 今週は話を把握している生徒と、そうでない生徒に分かれました。話を知っている生徒は約半分でした。月に2回しかない授業の中で、子供たちに日本語を継承していくことはとてもチャレンジングな作業です。私たち教師、保護者の方と子供たちとの連係プレイで成り立ちます。どうか時間を作ってお話を読んであげることにご協力をお願い申し上げます。1、2年生にはまだまだ字を読むことを強いていません。それよりも、沢山お話を聞いて耳から口語表現を学び、語彙を増やす年齢だと思っています。とくに日本語が母国語ではないので、「読む」という作業は定着するまでに時間がかかります。より多くの語彙、表現を知っていることは、後々自ら本を読むという動機付けに繋がると思います。ご協力お願いします。

2年生:「台、来、作、少」
    てん、まるの意味
     『小人のくつや』の文をメインレッスンブックに写す。

1年生:「と、つ」
    六〜十の漢字、そこから発展させ、二十五、十八、、、などの組み合わせ漢数字の読み方

勘のいい子供たちはすぐに色々な漢数字を読むことが出来るようになり、クイズのように楽しんで読み当てていました。宿題としても、漢数字を書く、読む練習を出していますが、ご自宅で様々な漢数字をクイズで楽しんでみましょう。2年生は3桁などに挑戦してもいいでしょう。

『てぶくろ』暗唱
 半分くらいの子が良く覚えて来てくれました。まだ初めなのであまり覚えていない子は、今のうちに追いついてください。冬休みが正念場です。今から何度も繰り返し言っていると、そのうちに覚えてしまいます。お正月まで放っておくと、覚えている生徒とそうでない生徒の差が大きく出てしまいます。(毎日出来るだけ読んであげましょう。)同じお話でも、子供たちは何度でも退屈せず聞きます。子供たちがそのお話を話したがるくらいになるまで読んであげるのがこつです。出来るだけ時間を作って頂き、毎日続けて読みましょう。「継続は力なり」!なお、ご自宅で読まれる時、一字一句、特に「てにをは」がきちんと言えているかなど、細かい部分をしっかりと暗唱出来ているか気をつけて聞いてあげて下さい。お話の中で、みんな誰が次に出てくるかを良く知っていて、にやにやしながら大きな声で次のお客さんの名前を教えてくれました。文章の暗記は大体の回想レベルではなく、一字一句覚えることに意味があります。是非、親子一緒に暗唱にチャレンジしてみましょう。

「はんたいことば」
 先週から反対言葉を練習しています。みんなほとんどの言葉を知っていて、子供たちの語彙の豊富さに驚かされます。ただ日本語で難しいのは、例えば、「暑い/寒い」と「熱い/冷たい」などの違いであり、どのように用途によって使い分けて表現するのか、論理ではなく実践で教えたいと思っています。日本語が母国語の子供たちと同じようにはいかなくても、低学年では日常の中で体験を通して自然と国語を学ぶことが効果的です。ご自宅でもきちんとした日本語を使い、話しかけるよう親子で常に心がけることがいずれ大きな力となると信じていますので、共に助け合って行けたらと思います。例えば、ものの数の数え方に注意を払う(1本の鉛筆を「ひとつ」などと適当に表現しないこと)。「水が寒い」と表現しがちな子供に、きちんと「冷たい」と言うように伝えること。「目を閉める」ではなく「閉じる」。他にも数々ありますが、きちんとした日本語を普段から私たちが話すことはとても大切ですね。子供たちは反対言葉が大好きで、授業では、目を輝かせて、動きを入れてどんどん答えていきます。ご自宅でも質問してあげて下さい。

メインレッスンは90分とかなり長い時間を机に座って絵を描いたり字を書いたりして過ごします。少し疲れが見え、ざわついてきたりすると、休憩を入れて動いたり歌ったりしますが、どうしてもメインレッスン中は座っていることが多くなります。それにもかかわらず、かなりの集中力で一生懸命作業に向かっています。まだまだ小さいのにとても感心します。心から学ぶことが好きだということが、彼らの態度から窺えるからです。またその精神状態に沿った課題を出し、彼らが望んでいるやり方に寄り添えば寄り添うほど、体にすっと入って無理をせずとも自然と学べることに喜びを覚えるのだと指導していて改めて実感します。たった月に2回の授業の中でも、子供たちの吸収率は驚くべきものだと毎回目を見張ります。それでも、メインレッスンの終わり頃には沢山集中して勉強したからか、お腹が空いてきて、「もうすぐランチ」とか「おなかがすいたな〜」とかちらほら聞こえたりもしますが。。。


手仕事

 今週は表編みを練習しました。(編み方をご参照下さい。フランス式(コンチネンタル式)を推奨しています。)https://www.youtube.com/watch?v=aad1SJxsWC4
 まだ2回目なのですが、みんな一生懸命習得しようと編み棒と毛糸に格闘しています。1年生と2年生のプロジェクトは違います。何を作るかは子供たちにも内緒です。どうか子供たちに想像させてあげてください。ある日この編んでいる作品が何かに変身したときの子供たちの驚きようは、いつも感動を呼びます。目をまん丸にして口を開けて「あれーーいつの間に◯◯になったの?きっと小人がやって来て魔法をかけたに違いない」なんて空想の世界がまた広がってその作品に愛着がわかずにはいられない、そんな何ともいえない喜び一杯の笑顔を見せてくれます。

まだまだ夢見る空想の世界に生きているこの年齢の子供たちには、出来るかぎりその世界に浸らせてあげることが後々子供たちの想像力を伸ばすきっかけとなることでしょう。それは何かを創造することにとどまらず、アカデミックの部分でも断面的に教科を学習するのではなく、むしろ世の中のあらゆる物、事は全てどこかでつながっていて、教科に得手不得手が出てこようとも、むしろその中から面白み、興味を見いだすことができる力を養うことが自然と出来るようになるからです。また、指先を使うことは日本の伝統文化の中では多く行われてきたので、日本人は平均的にみんなとても器用できちんとした作業が出来ると思います。そのすばらしい国民性を失わない為にも、またどんなに世の中が便利になったとしても、普段から物を作る事に興味を持ち、ひと手間かけて手作りしてみる心がけは大切だと思います。便利な時代だからこそ、一つの物を作るのに自分の手で作ればどれほどの時間と手間がかかるのかを知ることは、物への尊敬の気持ちを養います。壊れたからすぐ買い替えるのではなく、物への愛着心や大切にする心、物にも命があること、その物を一生懸命作った人の気持ちを考えることなど、手仕事は色々な面で道徳的な意味も含まれた意義深い教科手仕事でもあります。さらに最後までその作品を作り上げるには、それ相当の努力と忍耐を必要とされます。

シュタイナー教育では頭から情報を入れるのみにとどまらず、常に学んだことを心で感じ体に落として実践(体験)させることよって、初めてそれを知った(学んだ)と認識させるのです。体験を通さないで知っていることは架空の物でしかなく、知らないことと同じなのです。全ては実践(体験)することから始まります。今週から、編み物の宿題を出しています(全員ではありません)。一日5分でいいので、一緒に編み物をして頂きたいと思います。 

 【次回予定】
*クラス写真撮影
* 給食実践
*オープンハウス
* Hちゃんのお誕生会:スナック時間(10:15〜10:45)の間に行います。
  Hちゃんご家族:みんなと分けて頂ける甘過ぎないおやつをお持ち下さい。
     他のご家族:Hちゃんに手作りのプレゼントや自然界の物を持たせてあげて下さい。
 *2時にお教室にお集まり下さい。宿題についてまたご質問などにお答えします。
*編み物の宿題をお忘れなく。

風邪がはやっています。うがい、手洗いを習慣にし、元気に皆様にお会い出来ますよう願っています。

三好千佳子

2014年11月3日月曜日

2014年11月1日幼児部すみれ組

11月1日土曜日の夜中(正確には2日の午前2時)に時間が1時間戻り、冬時間が始まりました。夕方5時にはすっかり暗くなってしまいましたね。 11月11日は聖マーティン祭です。ヨーロッパの収穫祭で、この日が冬の始まりだそうです。この日、子ども達はランタンを持って、街の中を練り歩き、馬に跨ったマルティヌス(に扮する人)を教会に案内し、家を一件ずつ回って歌を歌い、パンやお菓子をお礼にもらうというお祭りです。ローマ帝国時代のマルティヌスが兵役中、雪の中で半裸で凍える物乞いに、自分のコートを剣で半分に割いて与えました。実はこの物乞いはイエスキリストだったそうです。シュタイナー学校でも、聖マーティンやランタンの歌を歌い、手作りのランタンを持って歩きます。最後に子ども達はりんごなどをもらい、ひっそりと静かに帰宅し、その夜はたくさん野菜の入ったスープを食べて温まります。

 1日は、前回お休みして出来なかった子は押し花や押し葉でランタンのシェードを作りました。シェードを作り終わった子は、以前のこぎりで切った木にやすりをかける作業をしました。初めての子が多かったと思うのですが、初めての割にはとても上手にやすりをかけていました。長い長い時をかけて、何が出来上がるのでしょうか。来年の6月までのお楽しみです。 また、白い小さなウールのうさぎをお持ち帰りいただいたと思います。新学期が始まってから、毎回、歌っていたうさぎの曲がありますが、このウールのうさぎを受け取るなり、子ども達はその曲を歌ってくれました!この瞬間が教師の私たちにとって、どんなに喜びとなったことでしょう!このうさぎは、白いウールを丸め、ぬるま湯に台所用洗剤を混ぜた液体をつけて、手の平でころころころころ丸めて作りました。乾かした後、ボランティアのお母さま方にニードルフェルティングで尻尾をつけて頂き、耳はハサミで切っただけという物です。ご自宅でも、このうさぎさんと時々遊んで下さると嬉しいです。
 「小さなうさぎ、どこにいる、どこにいる、ニンジンあるよ、早く出ておいで、  ホップホップホップ、ホップホップホップ」

今回のおやつは、お赤飯でした。ところが、大量にお赤飯を作ったことがないことと、自分の炊飯器ではないため、大失敗!おやつの時間に、10合炊きの炊飯器の方はちゃんと炊けていないというハプニングが。仕方なく、3合炊きの方をみんなで食べている間に、もう一度、小分けにして炊き直すという事態になりました。お赤飯を初めて食べる子には少し口にするのが難しかったでしょうか。いつも帰宅時に食べるりんごを頂くことになりました。また、それとはかわって、3回もおかわりする子や、キュウリの塩揉みばかりを食べる子もいました。Kくんのお母さまがケールと桜エビなどで作ったふりかけを持って来て下さいましたので、ふりかけとキュウリの塩揉みと一緒に頂きました。みんな、ふりかけがおいしくて、あっと言う間になくなりました。是非、ご自宅でもお赤飯を炊いて、一緒に食べて下さいね。

さて、この日はハロウィーンの翌日だったせいか、みんなシュガーハイで、とてもハイパーになっていました。おやつの時間中に、コップやお皿がテーブルから落ち、コップは割れてしまいました。コップやお皿が割れると、みんなでおやつを食べる時に人数分なくなってしまい、大変困るというお話をしました。「割れたら、どうする?」という質問に対し、「また買ったらいい」と答える子もいました。この「また買ったらいい」というのは「(ゲームの)リセットボタンを押せばいい」という答えと同じだと思います。現代のインスタントで便利な生活は、お金を出せばいくらでも買い換えられるのでしょうか。「直して使えばいい」という子もいました。もちろん、中には直して使える物もあるでしょう。けれど、割れてしまった食器は接着剤でつけても元通りには使えません。シュタイナー教育では、どんな物でもそれを原材料から作る人や作る工程があることを学びます。食物であれば、食物を育てる前に、食物を育てるための環境(土壌)作りという部分もあります。そういう意味もあり、今年は幼稚園ではお味噌作りや木の額作りをしようと思っています。食器(物)を大切に扱うということはどういうことなのか、この機会にもう一度、ご家庭でよく話し合ってみて下さい。

この日は、初めてサークルの時間にユーリズミー(ドイツ語でオイリュトミー)をしました。ユーリズミーは、シュタイナーが提唱した総合運動芸術です。子ども達の思考と感情と意思をバランスよく育てるのに役立ちます。お遊戯のようであって、お遊戯ではなく、ダンスのようであって、ダンスではなく、言葉や音楽の力を身体の中に取り入れ表現する画期的な方法です。天や大地や自然と繋がり、自分の意識と身体とのギャップを埋め、生命力を高めます。  T先生の「ヘムヘムとぺムぺム」のお話に合わせ、身体の動きを真似て動きます。去年からこの幼稚園に来ていた子の中には「あ~、それ知ってる~!」と思い出した子もいたようです。また、初めてなのに、動きをちゃんと真似ることが出来る子もいました。途中で「糸まきまき」の歌が出て来た時には、歌を知っていて一緒に大きな声で歌う子もいました。次回もT先生に来て頂き、ユーリズミーをして頂こうと思います。
「糸まきまき、糸まきまき、引いて引いて、トントントン、出来た出来た、小人さんのお靴」

この日の季節の歌は以下の通りです。
「秋の夕日に、照る山もみじ、濃いも薄いも、数ある中に  秋を彩る、カエデやツタは、山のふもとの、すそ模様」
「大きな栗の木の下で、あなたと私、仲良く遊びましょう、大きな栗の木の下で  小さな栗の木の下で、お話しましょう、まあるく輪になって、小さな栗の木の下で」
「どんぐりころころ、どんぶりこ、お池にはまって、さあ大変、  ドジョウが出て来て、こんにちは、ぼっちゃん、一緒に遊びましょう  どんぐりころころ、喜んで、しばらく一緒に遊んだら、  やっぱりお山が恋しいと、泣いては、ドジョウを困らせた」

次回のクラスは11月22日(土)になります。おやつは聖マーティン祭と日本の勤労感謝の日を意識して、パンを作りたいと思います。パンは乳製品を使わない、マクロビオティックなパンにしようと思っています。もしかしたら、中に栗カボチャかサツマイモを入れようかな?とまだ思案中です。クラフトは、ちょっと氣が早いかもしれませんが(よく考えると今年はもう、この11月22日と12月13日の2回しかクラスがありません!)、ラフィアを使ってお正月飾りを作ろうと思っています。どんなのが出来るかお楽しみに! あっと言う間に、サンクスギビングがやって来ますね。急に寒くなって参りましたが、皆さまどうかご自愛なさって、次にお会いするまでお元気でお過ごし下さい。
すみれ組担任

***

P.S. 以下は、保護者会の時に少しお話したこと(外遊び・土遊びの大切さ)に関連した記事(英語)です。ご夫婦でご一緒に読んで話し合ってみて下さい。

"Scientists Say Child's Play Helps Build A Better Brain"
http://www.npr.org/blogs/ed/2014/08/06/336361277/scientists-say-childs-play-helps-build-a-better-brain?utm_campaign=storyshare&utm_source=facebook.com&utm_medium=social 

"It's in the Dirt! Bacteria in soil makes us happier, smarter"
http://www.healinglandscapes.org/blog/2011/01/its-in-the-dirt-bacteria-in-soil-makes-us-happier-smarter/ 

"Comment: Parenting while distracted"
http://www.sbs.com.au/news/article/2014/08/11/comment-parenting-while-distracted